一体今生きてる意味なんて。



「髪切ろっかな」
 彼はぽつりとつぶやいた。
 長年の間に慣れ親しんでしまった、居心地の良さなど皆無の、隣り合って二人、事務的作業に没頭する沈黙の中。
「・・・うん」
 それはどことなく相談のように聞こえて、時間の流れの中で凝り固まった沈黙がきしりと音を立てたようにも聞こえた。
「いいんじゃないかな」
「ふぅん」
 自分に決して相談らしい相談なんて持ちかけてこなかったこの年下の同僚は興味なさそうに、如何にも僕の意見なんて求めてないと言わんばかりの曖昧な返事をよこした。

 そこからは、またいつものような沈黙。



「・・・・・」

 多分溢れ出してきたのは既に彼の手に負えるような代物ではないのだろう。ということはもちろん、僕の手に負えるはずもないのだから、それ以上溢れられても困るのだけれど。
 少しだけ手を止めて横顔を見てみる。横髪を耳にかけて、いつもみたいに手許の資料に注がれる視線。
 法律は、誰も裏切らない。いつだって。こんなときだって。


「・・・あんまり」
「何?」
 こちらも向きもしないで、代わる書類。髪がはらりと耳からおちた。
「あんまり、短くない方がいい」

 全部吐き出してしまった方が少しは楽なんじゃないかだなんて、酔狂なことを人に思わせないように、その表情を隠してくれる程度には、せめて。

 そしたら、わかってる、だなんて言われた。

「自分に何が似合うかくらい、」

 僕も自分の手許に視線を戻して、仕事を再開した。ため息が漏れた。

「それは、よかった」

 多分これが、巳代治と僕が仕事以外に交わした中で始めてまともな 記念すべきどうでもいい世間話 だったんじゃないかと思う。



無意味な信号

 聞かせてあげられないのが、残念です、閣下。

→ S.O.S !
 




・・・・・・・・・・・・

金子と巳代治です。
金子と巳代治です。金子。とミヨ。か ね こ と み よry
伊藤の葬儀のなんとか長ってのが金子とミヨだったのに、非常に萌えました。
金子はなんだかんだいって巳代治と組まされてるのが多い気がする。
あくまで個人的希望的主観的観測。
多分ね、巳代治となんとかやっていくにはある程度慣れた人間がいいから、
どうしても再利用されがちなんだと思う(...)

でもあれですよね、伊藤の葬儀に関する係に巳代治と一緒になるなんて私なら死んでも避けたい役職ですね。
どういう仕事だったのかは知りませんが、とりあえずそういう仕事してる二人のつもりです。つもり。法律関係ない?かもな。←

ガタもそうだけど、巳代治もなんか見た目あんまり動揺とかしてないと思う。
ただガタの場合は受け入れられてない部分が大きいけど、
巳代治の場合受け入れすぎというか理解しすぎてしまって反応できないみたいな感じじゃないかな。
どんな反応したって意味ないじゃん、みたいな。
それをしかも、自分の中ではもう閣下なんていいもん、みたいな感じに誤解しちゃってるといいよねもうゆがみすぎてて自分でも騙されちゃう的な。
でも絶対無意識なところではぷつんってなってるはずなんだ・・・それに気づいちゃう周りの人間が一番めんどくさいという。
(太郎ちゃんとか太郎ちゃんとかね!)

SOSってなんの意味もないあれだそうですね(あれって)
単に短くて打ちやすいだけだそうです。

トントンツー



読み物 / 2010.05.29

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