ホ
ー ム
シック。
窮屈な日本を出て、大好きってほどでもないけど、日本よりかは幾分居心地良い、巴里の街。
あの子が伊藤に対してあぁなのはいつものことやし、
今日は巴里では珍しいほどの良い天気やって、
昼間二人で行った店で掘り出し物ようけ見つけたし、
おまけの香水までもろて、かわいらしい坊ちゃんに落としたハンカチ届けてもろて、
途中で寄ったカフェもなかなかお洒落やった上予想よりもおいしかったしって
いつも以上にご機嫌なんはわかってる。
こちやってさっきまでは中々ご機嫌やったし。
珍しい位にご機嫌や、ころころ笑って、伊藤さんにべったり。
せやからって伊藤さんも今日はなんや甘いんちゃう?
いつもやったらもっとすげなくおっぱらうくせに、今日はされるがままに甘えさせよるうえわざわざあの子にワイン注がせたり。
いつもやったら皆に自分の話聞かせることが多いくせに、今日ばっかりはあの子の話ちゃんと聞いて。
ちょっと機嫌ようて素直やからって、あからさまな。
巳代治も巳代治や、いつもやったらもちょっとワガママ、ちゃう、伊藤さんの調子いい話ぴしゃっとしたるのに、なんやの今日は、やたらに素直やん。
「わかったから、巳代治、お前ちょっとは料理も食べ・・何処行くんだい西園寺」
なん、一応は周りも見えとったん。忘れられてるンかと思てたわ。
「今日はつかれましてん、先戻ります」
それだけ言って、ぽかんとしてる伊藤さんと巳代治と、あぁ、後忘れとったけど実は近くのテーブルに居やった他の連中のなんや怖い顔をほっぽって、夜の巴里へ。
昼間はあんなあったかかったんに、夜の空気はやっぱりまだ肌寒い。
右見ても左見ても、点点と暗闇の中に浮かぶカフェのぼやけた灯りの下では
アルコール傾けながら皆楽しそうにおしゃべりして、おいしい料理食べて、そしてその後は。知らんけど。
街灯の白い光に浮かぶ石畳はよく見るとえらいぼこぼこで、
今日といい今までずっと、よう下もよく見んと転ばずにおれたもんやと今更ながら色々思たり。
「・・アホ」
緩やかな坂道を一人でのぼりながら、今隣にいん人間に、文句。
いやん人間やから、別に誰とか、ないよ。だって、おらんもん、実際。こちの横は空っぽ。
窮屈な日本を出て、大好きってほどでもないけど、日本よりかは幾分居心地良い、巴里の街。
なんでおらんの、今日に限って。折角今日はご機嫌やったのに、
もしかしたら、いつもよりは少しくらい素直やったかもしれんのに。
そしたらいつもより、優しくしてくれたん?
今日ばっかりは、何故か恋しい日本の夜。
・・・・・・・・・・・
ちなみに中々松田さんもおいしかったです。
てか松田西園寺をプッシュしてるとしか思えなかった・・(笑)
え、これも公式なの?
ちなみにもちろんブミガタと342→→→→伊藤は
いっそ三角形の面積並に公式だったよ!